ドローンが新聞配達までやるようになる? 国際ドローン展で注目された機体の数々

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軍隊などでの使用を想定している「スカイレンジャー」

スカイレンジャーは当初から軍隊や警察などの法執行機関での使用を想定して開発されている。このため最大瞬間風速25メートル、摂氏マイナス30度~+50度でも運用が可能なタフさが大きな特徴となっている。また同クラスのドローンの中でもトップクラスとなる、約50分間の飛行が可能とされている。

またスカイレンジャーは操作にプロポを必要とせず、タブレットのタッチスクリーンで、目標や飛行ルートを設定するだけで自動的に目標へ向けて飛行し、ホームボタンをタッチするだけで自動的に帰還する。また電波障害やバッテリー切れなどのトラブルが発生した場合、離陸地点に自動的に帰還する障害回避モードも備えている。

スカイレンジャーは現在までに、サウジアラビアなど30以上の軍や法執行機関などに採用されている。エリヨンと日本代理店のネクシス光洋は、自衛隊や警察などへの提案を行なっており、陸上自衛隊が高い関心を示しているという。

ドローン活用拡大が見込まれる報道の現場

測量や観測、軽貨物の輸送などと並んで、今後ドローンの活用の拡大が見込まれている用途に報道がある。

ノイズを大幅に軽減した「SILKY TRON」

報道でドローンを活用するにあたっては、飛行時に発生するノイズが、撮影した画像を送信する電波に干渉するという問題があり、それをいかに抑えるかが課題のひとつとなっている。

ヨコヤマ・コーポレーションでドローンの製造・販売を手がけるTEAD事業部は、ドローン本体のバッテリーの電源部分の層を変えることで、ノイズを大幅に軽減した「SILKY TRON」を、ドローン展に出展した。

水難救助用の要救助者に上空から救命具を投下する機体

またプロドローンは、ドローンと三輪バイクを組み合わせた映像配信システム「PD-C01」を出展している。三輪バイクには映像・音声スイッチャーと映像伝送エンコーダーが搭載されており、同社は災害時などの緊急中継システムとしての活用を提案している。

このほかセコムが開発した警備システム(センサーが侵入者をキャッチするとドローンが発進し、搭載したカメラで状況を把握するもの)や、TEAD事業部が出展した、水難事故の要救助者に、上空から救命具を投下する機体なども、新たな活用法として大きな注目を集めた。

竹内 修 フリージャーナリスト

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たけうち おさむ / Osamu Takeuchi

1970年長野県生まれ。立命館大学法学部卒。月刊「PANZER」、月刊「エアワールド」の編集に従事。現在はフリージャーナリストとして月刊「軍事研究」、月刊「JWings」などで記事を執筆。著書は「最先端未来兵器完全ファイル」など

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