日本株は、むごいことになる恐れがある 無理やり上昇した後、高まる「急落リスク」

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目を国内株式市場の外に広げれば、すでに状況は暗転している。足元では予想外の米ドル高・円安が進んだが、これは国内株式市場に先んじて、個人のFX取引つぶしが行なわれたと推察されている。

ドル、欧米中3極の相場はいったん天井をつけた

つまり、目先はドルが下がるのではないかと考えていた個人投資家(ドルの売り方)の買い戻しによって、米ドルが上振れ、それをしかけた投機家がたらふく儲けて成功した。とすれば、そうした投機家にこれ以上米ドルを買い上げる理由はない。ザラバ高値の124円45円(米リサーチ会社のファクトセット調べ)で、米ドル相場はすでにピークアウトしつつあるように見える。

5月27日(水)~5月30日(金)にドイツで開催されたG7(先進7か国)財務相・中央銀行総裁会議では、為替が全体の議題にはならなかったものの、日米財務相が為替の急変動は望ましくないとの認識で一致、円安をけん制したという。その報道を受けた後も、円相場は少ししか動いていない。だが、市場では「G7と冷酒は後から効いてくる」との格言があり、今週以降円高をもたらす材料の一つとなりうる。

欧米の株価も、きれいに天井を形成しているように見える。いわゆる「三尊天井」に近い形(仏像が中央に釈迦如来、左右に菩薩という形で3つ並んでいることにちなんだパターン)となってきており、終値ベースでは、たとえばNYダウ工業株指数が5月8日(金)、5月19日(火)、5月27日(水)の3時点で、また独DAX指数は5月8日(金)、5月21日(木)、5月27日(水)の3時点で、それぞれピークを付けているように見える。

また、中国上海総合株価指数は、日経平均と同様に、どんな材料が出ようと上げ方向のみで暴走してきた。いわば日経平均の「暴走兄弟」だった(暴走姉妹かもしれない)。しかしとうとう、5月28日(木)には前日比で約6.5%もの暴落を演じ、翌5月29日(金)も小幅ながら続落して引けた。

国内株価は、先物の買いで無理矢理吊り上げられ、さらに物色がゆがむなか、外部環境としての円相場や「欧米中」の株価動向は、すでに方向転換を見せつつある。

ここ2週間ほどの株価上昇が「ひどい相場」、すなわち目を覆うような惨状であったため、これからの株価下落も、残念ながら、むごいものとなるだろう。今週の日経平均は、1万9700円~2万0600円を予想する。

馬渕 治好 ブーケ・ド・フルーレット代表、米国CFA協会認定証券アナリスト

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まぶち はるよし / Haruyoshi Mabuchi

1981年東京大学理学部数学科卒、1988年米国マサチューセッツ工科大学経営科学大学院(MIT Sloan School of Management)修士課程修了。(旧)日興証券グループで、主に調査部門を歴任。2004年8月~2008年12月は、日興コーディアル証券国際市場分析部長を務めた。2009年1月に独立、現在ブーケ・ド・フルーレット代表。内外諸国の経済・政治・投資家動向を踏まえ、株式、債券、為替、主要な商品市場の分析を行う。データや裏付け取材に基づく分析内容を、投資初心者にもわかりやすく解説することで定評がある。各地での講演や、マスコミ出演、新聞・雑誌等への寄稿も多い。著作に『投資の鉄人』(共著、日本経済新聞出版社)や『株への投資力を鍛える』(東洋経済新報社)『ゼロからわかる 時事問題とマーケットの深い関係』(金融財政事情研究会)、『勝率9割の投資セオリーは存在するか』(東洋経済新報社)などがある。有料メールマガジン 馬渕治好の週刊「世界経済・市場花だより」なども刊行中。

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