30代後半で同僚と恋仲に!晩婚のリアル

大人の経済力を背景に「即断即決」

昭男さんの離婚話をさかなに飲んでいると、幸運なハプニングがあった。「地元の友達のダンナさん」が同僚を連れて同じ店に入って来たのだ。直美さんとも飲み仲間である彼は明るい性格で、「一緒に飲みましょう!」と言い出した。昭男さんと彼は「おな中(同じ中学の出身者)」であることもわかって意気投合。大いに盛り上がった。

愛知・三河地方の結婚事情

余談になるが、愛知県の人は生まれ育った実家、もしくはその周辺に暮らし続ける傾向が強い。気候が穏やかで農作物も海産物も豊富、交通の便にも恵まれていて、東京ほど過密していない割に、製造業を中心とする雇用が充実しているからだろう。一方で、学んだり住んだりする土地として、愛知県にあこがれる県外の人は残念ながら多くない。愛知県民と結婚して引き寄せられてしまう(筆者のパターン)か、転勤や就職で「仕方なく」やって来る人がほとんどだろう。

結果として、人口はそれなりに多いのに、よそ者が少ない濃厚な人間関係が維持される。名古屋を中核とする尾張地方と岡崎や豊橋を擁する三河地方との距離感は多少あるが、同じ地方ならば見知らぬ人と出会っても、中学校名と高校名を聞けば共通の友人知人が見つかりやすい。それを突破口にして親近感を醸成するのが常道である。

自分の男友達とも気持ちよく飲んでくれる昭男さんを見て、直美さんの気持ちも動き始めた。翌日からはLINEで毎日連絡を取るようになり、1カ月後にはふたりきりで泊まりがけの旅行に出かけた。直美さんは「昔ながらの男」の昭男さんに引かれていった。

「20代の頃は優しくてよく気がつくタイプの男性と付き合っていました。外食店でミスを連発する女の子の店員を、客なのにフォローしてあげちゃったり。お前はフェミニストか!とイラッとすることもありましたね。

今のダンナは真逆です。相手が誰でも文句をつける(笑)。思っていることを真っすぐに言ってしまう。仕事でも筋を通そうとするあまり、周囲から疎ましく思われることもあります。頑固というか融通が利かないというか……。でも、まじめで誠実であることは確かです。私も大人になったので、ダンナのような男らしい人がいいと思うようになりました」

昭男さんは直美さんとの関係にも筋を通そうとした。プロポーズをしてくれたのだ。しかし、直美さんには迷いがあった。支え合える恋人がいるのはうれしいが、結婚生活に対するいいイメージがどうしても持てなかったのだ。

「友達の影響もあるのかもしれません。家庭を省みずに遊びほうけている既婚男性もいますし、夫への愚痴を女性から聞くこともあります。私なんかがいい家庭を築けるとはとても思えなくて……。私もダンナ(昭男さん)も持ち家を持っていたので、どちらを処分するのかという現実的な問題もありました」

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