中国EV市場の競争は激烈であり、蔚来汽車に立ち止まる余裕はない。同社と理想汽車(リ・オート)、小鵬汽車(シャオペン)の3社は、中国の自動車業界で「造車新勢力」と呼ばれる新興メーカー群を代表する存在だ。
しかし2023年に入って、3社の実績に落差が目立ち始めている。最も好調な理想汽車は10月の販売台数が4万台を突破。1~10月の累計販売台数は28万台超と、蔚来汽車の2倍以上だ。
小鵬汽車は2022年後半から販売が伸び悩み、2023年1~10月の累計販売台数では蔚来汽車に及ばない。だが、2023年後半から勢いを取り戻しつつあり、10月の販売台数は2万台を超えた。また、ドイツ自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)が7月末に小鵬汽車への出資を発表したことも、資本市場における同社の再評価につながった。
組織スリム化で巻き返せるか
蔚来汽車と小鵬汽車はアメリカのニューヨーク証券取引所に、理想汽車はナスダックにそれぞれ株式を上場している。11月3日時点の時価総額を比較すると、理想汽車の374億8500万ドル(約5兆6368億円)、小鵬汽車の143億3300万ドル(約2兆1553億円)に対し、蔚来汽車は133億9200万ドル(約2兆138億円)と最下位に甘んじている。
創業トップの李氏は冒頭の社内メールの中で、「これからの2年間は激烈な競争を生き抜かなければならない自動車業界の変革期であり、経営環境は不確実性に満ちている」と述べ、組織スリム化の意義を次のように強調した。
「わが社が“決勝”まで勝ち進むには、経営効率を一段と高め、コア事業に十分なリソースを投入しなければならない。そのために、社内組織を最適化し、コスト削減と効率アップを図る機会を逸してはならない」
(財新記者:余聡)
※原文の配信は11月3日
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