グーグルが明かしたワクワク5つの近未来 開発者会議の基調講演を読み解く

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もう1つ、凄みを感じる進化を果たしたのが、Google Photosだ。これまでGoogle+(グーグルのSNS)の機能として搭載されてきたが、アプリも別に分離され、Android、iOS、ウェブから利用可能になった。

多くのユーザーにとってうれしいニュースは、高画質の写真やビデオ(写真は1600万画素まで、ビデオはフルHDまで)を無料で無制限に保存することができる、写真のバックアップサービスとして活用できる点だろう。

しかしGoogle Photosの進化した点はそれだけではない。写真を人の顔、撮影した場所、内容で自動的に分類することができるようになったのだ。例えば、生まれたばかりの子どもの成長がGoogle Photosの保存されていれば、成長する過程の写真を全て自動的に一覧することができる。顔の認識は、それほど高精度だ。

流れるようなインターフェイスで写真を時系列に見るだけでなく、同じ期間や場所によって写真を束ね、自動的にできあがった旅行の写真をワンタッチで友人に送ることもできるようにもなった。

「機械学習(ディープラーニング)に最大の投資をしてきた」とプレゼンテーションをすすめたサンダー・ピチャイ上級副社長は話す。

検索しなくても欲しい情報にアクセスできる未来

機械学習は、情報の解析結果と人々の行動を関連づけ、コンピュータが「知識」として活用する最も注目されている技術の1つだ。グーグルには、検索、YouTube、Androidなどの各種サービスに10億人のユーザーがいる。彼らの行動やデータの蓄積は、機械学習にとって非常に有益なリソースになる。

おそらく、グーグルは、現実世界を機械に理解させる、最も優秀な「辞書」を有している企業の1つだろう。そして、すでにその成果を、Google Nowなどで体験できる状態にある。

検索企業が、人々が検索しなくても、最適な情報を提供するようになる。グーグルの未来の凄みを感じることができる、そんな基調講演だった。

松村 太郎 ジャーナリスト

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まつむら たろう / Taro Matsumura

1980年生まれ。慶應義塾大学政策・メディア研究科卒。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。著書に『LinkedInスタートブック』(日経BP)、『スマートフォン新時代』(NTT出版)、監訳に『「ソーシャルラーニング」入門』(日経BP)など。

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