「セダンを諦めるのはまだ早い」と言える根拠 続々と廃止されるが「突き詰める余地」はある
最近の自動車市場ではセダンの人気が下がり、各メーカーとも車種を減らしている。三菱のようにセダンを扱わなくなったメーカーもあるが、直近でセダンの廃止が著しいのは日産だ。
コンパクトクラスでは、トヨタ「カローラ」のライバルだった「サニー」、その後継に位置付けられた「ティーダラティオ」や「ラティオ」、ヨーロッパ車のような雰囲気の「パルサーセダン」などが用意されたが、今ではすべて廃止されている。
ミドルサイズでは、伝統の「ブルーバード」とその後継車種になる「シルフィ」、優れた走行安定性でクルマ好きに人気の高かった「プリメーラ」などが過去のクルマになった。
Lサイズでは、「セドリック/グロリア」とその後継の「フーガ」、Lサイズの割に価格が比較的求めやすかった「ローレル」と「ティアナ」、高級セダンの「シーマ」やVIPモデルの「プレジデント」が廃止されて久しい。
その結果、日産で現存するセダンは「スカイライン」のみとなった。
販売台数は月平均174台も仕方なし
そのスカイラインも、マイナーチェンジを行うたびにパワートレーンのバリエーションを縮小。現在はハイブリッドも廃止され、V型6気筒3.0リッターツインターボのみとなっている。
また、以前のスカイラインハイブリッドには、ステアリングホイールから手を離しても運転支援を受けられる「プロパイロット2.0」が搭載されたが、ハイブリッドと併せて廃止された。現行型に装着されるのは、ベーシックなインテリジェントクルーズコントロールだ。
衝突被害軽減ブレーキの「インテリジェントエマージェンシーブレーキ」も旧タイプのままで4輪車しか検知できず、歩行者や自転車には非対応。450万円を超える高価格車にもかかわらず、衝突被害軽減ブレーキの性能は軽自動車の「デイズ」を下まわる。
これでは好調に売るのも難しく、2023年の1カ月平均登録台数は174台にすぎない。
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