「セダンを諦めるのはまだ早い」と言える根拠 続々と廃止されるが「突き詰める余地」はある

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他社はどうか。トヨタは一部のダイハツ製OEMを除くと軽自動車を用意せず、小型/普通乗用車の国内シェアが50%を上まわる。セダンも相応にそろえるが、車種の数は減った。

「カムリ」は2023年12月に生産を終えるため(その後にフルモデルチェンジする可能性もあるが)、これを除くと残るのは「カローラセダン」、先代型を継続生産する5ナンバーサイズの「カローラアクシオ」、11月2日に発売された「クラウンセダン」、VIPセダンの「センチュリー」、そして燃料電池車の「MIRAI」の5車種となる。

その売れ行きはどうかというと、やはり低迷している。

現行型のカローラセダン。2019年より販売されている(写真:トヨタ自動車)
現行型のカローラセダン。2019年より販売されている(写真:トヨタ自動車)

カローラは販売台数ランキングで上位に位置するが、これはSUVの「カローラクロス」やワゴンの「カローラツーリング」を含むシリーズ合算であるため。

2023年のカローラの販売内訳を調べると、44%をカローラクロスが占めている。これに続くのがカローラツーリングで26%だから、この2タイプで70%だ。

カローラセダンの販売比率は10%、カローラアクシオは4%で、残りの16%が5ドアハッチバックの「カローラスポーツ」「GRカローラ」、アクシオのワゴンタイプである「カローラフィールダー」だから、セダン系の販売はカローラシリーズのうち14%しかないことになる。

クロスオーバー化したクラウンの成果

このようにトヨタでもセダンは売れ行きを下げたが、SUVのように車高を高めた「クラウン クロスオーバー」は、後部に独立したトランクスペースを備えたセダンボディだが販売は堅調だ。

2022年に新生クラウンの第1弾として登場したクラウン クロスオーバー(写真:トヨタ自動車)
2022年に新生クラウンの第1弾として登場したクラウン クロスオーバー(写真:トヨタ自動車)

2023年の1カ月平均登録台数は約3600台だから、先に述べたカローラツーリングと同程度になる。クラウン クロスオーバーの売れ筋価格帯が500万円前後に達することを考えると、立派な販売実績だろう。Lサイズセダンでも、クルマの造り方次第では売れるのだ。

また、トヨタが展開する上級ブランドのレクサスには、今でもセダンが相応に用意される。FR(後輪駆動)のプラットフォームを使ったセダンには、ミドルサイズの「IS」と上級の「LS」があり、その中間にはFF(前輪駆動)で車内の広い「ES」がラインナップ。

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