「セダンを諦めるのはまだ早い」と言える根拠 続々と廃止されるが「突き詰める余地」はある
先に挙げたスカイラインやWRXも、セダンの特徴を運転の楽しさに生かしており、レクサスLSやESは快適性を高めた。クラウン クロスオーバーやレクサスISは、楽しさと快適性の両方を兼ね備える。
なお、セダンは走行安定性や危険回避性能が優れていることから、走行速度の高いヨーロッパでは今でも堅実に売れている。
メルセデス・ベンツであれば「Aクラス」から「Sクラス」、VIP向けの「マイバッハ」まで、BMWなら「2シリーズ グランクーペ」から「7シリーズ」まで、ヨーロッパメーカーは幅広いサイズのセダンを用意している。
売れ筋カテゴリーとはならなくても、軽自動車/コンパクトカー/ミニバン/SUVでは実現できない商品開発を行えば、独自の価値を生み出せるのだ。事実、そのような新しいセダンが求められている。
かつての「カリーナED」に似ている
例えば「プリウス」は、リアゲートを装着する5ドアハッチバックだが、トヨタのホームページではセダンのカテゴリーに分類される。全高を1430mmに抑えたクーペ風のスタイルとすることで、デザイン性のみならず、低重心と高剛性のボディによる優れた走行性能や運転の楽しさも味わえる。
いわば「クーペに近い価値観」を備えたセダンだ。かつてトヨタには、「カリーナED」というクーペ並みに背の低い4ドアセダン(正確にはハードトップ)があり、よく売れた。一過性の流行で終わったが、実はセダンの将来を予見したクルマでもあった。
そして今のヨーロッパ車には、メルセデス・ベンツ「CLA」「CLS」、BMW「4シリーズ グランクーペ」「8シリーズ グランクーペ」のように、カリーナEDの手法を踏襲したような背の低い4ドアボディも存在する。
シューティングブレークと呼ばれるデザイン性を重視した背の低いワゴンも含めて、クーペ風のセダンを適度なボディサイズで用意すると、新たな需要を掘り起こせる可能性があるのだ。
では、販売店ではセダンをどのように見ているのか。トヨタのディーラーでは以下のように返答された。
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