「匿名座談会」駐在員が語る監視社会中国の恐怖 反スパイ法と"データ3法"で情報統制が強化
反スパイ法や電子データの移動に制限を課すデータ3法など、中国では情報統制が強化されている。現地駐在員や中国ビジネスに関わる会社員に監視社会のリアルや中国ビジネスの現状を聞いた。
[参加者PROFILE]
Aさん 40代男性・IT営業職
Bさん 50代男性・企画部門
Cさん 30代男性・営業職
Dさん 40代男性・営業職
──反スパイ法やデータ3法はビジネスに影響はありますか。
A データ3法関連の仕事が増えていたが、9月末に新たなパブリックコメント案(編集部注:1年間で国外へ提供する個人情報が少ない場合、手続きが簡素化される)が発表され、対象企業が大幅に減った。危機感をあおって仕事を取っていた競合企業は、契約解除などの話が増えるだろう。われわれとしては獲得する案件は選別している。機密情報が含まれるデータ分析や日本企業へのデータ提供などは危険なので控えている。
もはや読む意味はない
B 以前、リポートをウィーチャットで送信したところ、相手先に届かないことがあった。おそらく政府要人の名前などが入っていたためブロックされたのだろう。スパイと疑われる可能性があるため、政府関係者とのコンタクトも難しくなった。だから中国発のリポートは機微に触れる情報がなくなり、もはや読む意味はないだろう。
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