「石垣島9人の学校→2浪早大」親に語った強い覚悟 高校に進学して初めて大人数の学校を経験

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そうした失敗から、彼はついに東京の予備校に通って2浪したいと両親に伝えます。そのきっかけは、東京での受験の失敗が大きく影響していました。

「東京での受験を終えたものの、手応え的に落ちていることがわかっていたので、これからどうしようかなと高田馬場駅の周辺をぶらぶら歩いていたんです。すると、早稲田予備校という予備校の看板がひときわ目立っていたので、ふらふらと引き寄せられるように入りました。

そこで、予備校に通うことの重要性と早稲田の魅力を聞いて、完全に早稲田に第1志望校を変えようと思いました。1浪目は不完全燃焼感が強かったので、次は悔いのない環境でしっかり勉強してみたいと思ったんです」

1浪目のオープンキャンパスでも早稲田に行き、いろんなサークルで学生たちが各々楽しんでいる姿を見て、早稲田での大学生活に興味を持った喜屋武さん。彼は上京して予備校生活を送りながら早稲田を狙うことに決めます。

「勉強に関しては、もともと得意なほうだという感覚はありました。だから、ちゃんとした環境でやれば結果を出せるはずだ、と自分を信じたかったんです」

2浪目は精神的に楽だった

実際、東京に引っ越したあとにルーティンとなった、授業を受けて自習室で勉強を続ける生活は彼に合っていました。

「いつでも質問できる先生や、同じ大学を目指して頑張る仲間たちがいることで、余計なことで悩んだりせず、勉強だけに集中できるシンプルな生活を送れました。環境や意識でこんなに生活が変わるんだとびっくりしました。この1年、土日も含めて勉強漬けの生活でしたが、1浪目よりも精神的にはだいぶ楽でした」

先生に指示されたテキストや勉強法、予備校内の試験を受けてひたすら集中した1年は、時間が経つのが早かったそうです。浪人生活の前半で受けた模試の判定はC~Bだったそうですが、受験直前期にはA判定で安定したようです。

「この成績ならいけるだろうという感覚がありました。文系の学部の中で幅広く学際的に勉強できそうな学部を探して、文学部・文化構想学部・教育学部複合文化学科と、腕試しで政治経済学部の4つを受け、政治経済学部以外は無事に合格をいただきました。喜びよりは安堵の気持ちのほうが強かったですね」

その中から文化構想学部を選んだ喜屋武さんは、2浪の末にようやく志望していた大学・学部への進学を果たしたのです。

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