「ぎょうざの満洲」小規模なのに根強い人気のワケ 餃子の特徴は「毎日でも食べられる家庭的な味」

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全国チェーンに比べて不利にもかかわらず、インターネット上の人気店ランキングでは上位に挙げられていることが多い。

理由として1つには、創業60年の老舗だということもあるだろう。また店名に「ぎょうざ」を入れ専門性を打ち出していることも、餃子好きな人へのアピールになりそうだ。

そのほか、同チェーンが多くの人の心を惹きつける理由はどこにあるのだろうか。

川越的場店はランチタイムともなれば近隣で働く人や住民で満席になる。パーティールームには卓球台も設置(撮影:風間仁一郎)

「いくらでも食べられる」満洲の餃子

満洲の餃子の特徴は、毎日でも食べられる、家庭的な味。焼き餃子(6個300円)は熱々のところをほおばると、厚すぎず、ほどよいもちもち感のある皮の食感とともに、肉・野菜のバランスのよい旨味が口に広がる。さっぱりしていて、「いくらでも食べられる」と表現する満洲ファンは多い。

また餃子と並んで人気のトップ3に入るのが、満洲しょうゆラーメン(550円)とチャーハン(550円)だ。しょうゆラーメンはまろやかなスープが特徴。麺といっしょにすすると、何となくホッとする。チャーハンも具材とご飯の味がよく混じり合っていて「これぞチャーハン」というシンプルなおいしさが感じられる。食べやすいロウカット玄米と白米が半々になっているのにも、田舎のおばあちゃんが気遣ってくれているようで心和む。

満洲しょうゆラーメン(550円)。スープはあっさりしているがまろやかなコクがある(撮影:風間仁一郎)

筆者は行動範囲が東京の東エリアのため、実は満洲餃子を食べるのは今回が初めて。しかし長年のファンであれば、5年ほど前から餃子やラーメンの味が変わったことに気づいているかもしれない

例えば餃子なら、野菜と豚肉の比率は従来どおり5対5だが、2018年より豚の脂身を3割減らし、その分赤身を増量した。ラーメンのスープは、2020年に豚骨や豚足の使用をやめ、国産の丸鶏や鶏がら系、昆布や鰹節などの魚介系、玉ねぎやねぎなどの野菜系をそれぞれ煮出して合わせたトリプルスープに変更した。

代表取締役社長の池野谷ひろみ氏によれば、自身血圧が高く、毎日餃子やラーメンを食べていることや、スープを飲み干していることに医師から注意を受けたのがきっかけ。

「スープを飲み干せないようなラーメンを提供していてはよくない」と感じ、レシピの変更に踏み切った。

次ページレシピの変更でかえって評価が高まり、餃子の製造数も増加
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