沖縄「地価バブル期超え」エリア続出の潜在力 2023年の基準地価上昇率は全国トップに
沖縄の地価上昇に注目が集まっている。国土交通省が9月に発表した2023年(令和5年)の沖縄の基準地価の上昇率(全用途)が4.9%とトップとなったのだ(全国平均は1.0%上昇)。
沖縄県(全用途)の地価がもっとも高かったのは平成バブル末期の1991年のこと。バブル崩壊で一時は半値にまで下がったが、足元では高値の約8割水準まで戻してきた。住宅地にいたっては、平成バブル期の高値を上回り、史上最高値を更新している。
県庁所在地である那覇市(全用途)はバブル期が高すぎたため、いまだに半分の水準だが、住宅地に関してはほぼ同水準となっている(グラフ参照)。
それ以外に、バブル期と比較可能な沖縄県内の36市町村で見ると、全用途でバブル期を上回っている自治体が全体の半分の18、住宅地では21ある。ちなみに東京23区で全用途の地価がバブル期を上回っている区はゼロだ。バブル期に1556万円だった千代田区の今年の地価は514万円と3割ほどの水準でしかない。もともと地価が安かったとはいえ、沖縄県の地価の上昇ぶりは目を見張るものがある。
ベッドタウンとして人口増加中の八重瀬町
この30年あまりの間に地価が急騰したエリアをチェックしてみよう。まず注目したいのが沖縄本島南部にある八重瀬町だ。2006年に東風平町と具志頭村が合併して誕生した町で、合併当時の人口は2万6510人だった。旧東風平町のバブル期の地価は1万8400円。2023年は7万1500円だから、約3.9倍に跳ね上がったことになる。その主因はベッドタウン化だ。
八重瀬町は那覇市の東南部に位置し、マイカーで25分、バスでも40分ほどで那覇市街地に行けるロケーションだ。国道や県道といった主要幹線に加え、那覇空港自動車道のインターチェンジも近接し、各方面へのアクセスがいい。
立地条件、交通アクセスに恵まれた八重瀬町は、民間による住宅地整備や行政による土地区画整理事業などで宅地造成が行われ、那覇市のベッドタウンとしての存在感を高めている。
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