歴史で学ぶ「百年戦争」国家間の戦争ではない意外 過去に起きた出来事と現在はつながりがある
少し脱線しますが、僕は世界史の勉強をする際に、百年戦争を勉強して、「100年も戦争していた、だなんて、両国の国民とも穏やかな気持ちではなかっただろうな」と感じていました。
実は、2023年の一橋大学の問題は、その「勘違い」を正す問題でした。100年間もずっと、全国民が総武装で戦っていたというイメージは間違っていて、実際は当時の農民たちからすれば「ここってフランスって国なの?知らなかった」というぐらいの捉え方をしていて、「あそこの領主の人が戦争しているらしいよ」というほど無関心だったと言われています。
おそらくこの時期には、「フランスの〇〇さんがオリンピックで金メダルを取ったらしいよ!」と言っても、「へえ、この近くの村でそんな人がいたんだ。でも自分たちは何の縁もゆかりもないし」というくらい、無関心だったのではないでしょうか。
だからこそ、国民としてのアイデンティティーが確立する前は、私たちが想像するような戦争は起こっていなかったのだと考えられます。
世界大戦は20世紀に入ってから
世界史を勉強していてもう1つ疑問に思うこととして、「世界大戦」が20世紀に入ってからしか発生していないことですよね。歴史は長く、戦争はたくさん起きているはずなのに、「世界大戦」と呼ばれる戦争は20世紀になってから2回『しか』ありません。
その理由はたくさんあるのですが、その1つの理由に、「世界大戦」は「総力戦」であったことが挙げられます。
それまでの戦争では、軍隊だけ・男性たちだけが戦争をしていた場合が多かったのですが、世界大戦では戦地に行く人以外も含めて、国家総動員で戦うことになりました。例えば女性も軍事工場で戦争のために働き、子供たりや老人たちだって働くこともありました。
大雑把にいうと、国全体で戦争をしていたから、戦争の規模が大きくなってしまって、世界を巻き込むような大戦争になったのだという見方があるわけですね。
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