北海道新幹線「並行在来線」バス転換協議が中断へ バス運転士不足で鉄道代替交通を担えない

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約10億6000万円の費用を投じて建設された「りすた」はこのバスの発車をもって交通結節点機能を喪失した(筆者撮影)【2023年11月8日20時45分 追記】記事初出時、「りすた」の記述に誤りがありましたので、上記のように修正しました。

北海道庁が当初10~11月に予定していた沿線自治体との協議会を開催できる見通しにないことが明らかとなった。当初の予定では、バス会社との交渉の進捗についてこの協議会で沿線自治体に対して報告をすることとなっていた。前回、5月に非公開で開催された協議会では、小樽市の迫俊哉市長からの指摘により道が「バス会社と協議できていない」ことを認めていたことが議事録から明らかとなったことは2023年9月5日付記事(北海道新幹線「並行在来線」バス転換協議の泥沼化)でも指摘した。こうしたことから地元住民は道庁に対する不信感を深め批判の声が日に日に増している。

深刻化する道内バス路線の廃止・減便の加速

10月1日から道内では多くのバス路線が廃止・減便となった。並行在来線沿線の北海道後志地区では、北海道中央バス積丹線の美国―余別間が廃止され、ニセコバスの寿都―岩内間の便数が半減された。この他の地区では、JR北海道発足初期に廃止されたJR天北線、JR標津線の鉄道代替バスも一部区間で廃止となり、道内各地で交通網の分断が加速している。

中でも注目されたのは、2019年に「攻めの廃線」としてJR石勝線夕張支線の廃止を行った夕張市の路線バスで、夕張から札幌方面を結ぶ夕鉄バスの広域のバス路線が全廃となったことだ。石勝線夕張支線は北海道知事の鈴木直道氏が夕張市長時代だった2016年、JR北海道の島田修社長(当時)と会談し、自ら石勝線夕張支線の廃止を提案。その後の夕張市の様子については2022年11月2日付記事(北の鉄路切り捨て鈴木知事「夕張市長時の問題点」)で詳しく触れている。

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