アメリカの「FOMC経済見通し」の"読み解き方" インフレ率予想で将来的な金利変動を予測

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そのうえで、コアPCEインフレ率については、「予測の中央値から上方に参加者の思惑が厚くなっている」ので、FFレートについても中央値をそのまま見るのではなく、「70%信頼区間で中央値よりも上方に振れる可能性が高い」と見るべきです。

PCEと異なり、FFレートには「FOMC参加者自身による不確実性とリスクの評価」はないので、このような見方が重要です。

金利の根っこはFOMCが決める

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米国の政策金利は、FF(Federal Funds)レートです。FFレートとは、FRS(連邦準備制度)に加盟する銀行が連邦準備銀行に預け入れる資金が不足しているときに他銀行に無担保で資金を借りる際に適用される金利のことです。

このFFレートの変動が、商業銀行の住宅ローン金利や預金金利に影響を与え、債券市場では債券の取引価格、すなわち利回りを決める重要な要因の1つです。

このように、FFレートは米国内の金融市場で各種の金利水準決定に大きな影響を与えます。さらに米国内にとどまらず世界中の中央銀行や資金取引に影響を与えることになるため、米国内・国外を問わずに多くの関係者から注目される金利になっています。

このため、FFレートを決定付けるFOMC会合と、その結果が、開催前から注目され多くのメディアを賑わすことになるのです。

工藤 浩義 金利為替市場コメンテーター、金融翻訳家

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くどう ひろよし

上智大学経済学部卒業。銀行にて融資・預金業務やSWIFT・コルレス業務など外国為替業務を担当。湾岸戦争時に有事のドル買いによる相場急騰を見て、リアルタイム情報の重要性を感じ、金融情報サービス業QUICK(日本経済新聞社グループ)に移る。経理部・財務部での業務、米ニューヨーク現地法人マネージャーとして米国の会計・税務全般を担当。その後、情報本部にて日経225オプション戦略や債券先物(JGB)の市場コメント執筆、米FRB関連情報の翻訳・配信を行う。米企業ブリッジニュース社に移り、同様のサービスを導入・発展させる。現在は金融市場のコメント執筆や金融・企業財務の翻訳業務に携わる。

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