クリエーティブな人が軽井沢で子育てする理由 首都圏で暮らしていた若い世帯の移住が増加

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

町長の小園拓志さんも出身は北海道。御代田に移り住み半年で町長に就いた。就任してすぐに給食費無償化を実現、自治体が運営する公営塾「夢サポート塾」を2022年に設置するなど、子育てや教育施策への取り組みに積極的だ。公営塾とは自治体が運営に携わる学習塾などのことで、過疎地域を中心に全国的に設置が進んでいる。

個性を育てる学校

佐久穂町では日本初のイエナプランスクール認定校、大日向小学校が2019年に開校。同校は、初年度の児童の8割弱が移住者だ。イエナプランとは、ドイツで始まりオランダで広がった教育で、子どもの個性や意欲を尊重して学びを組み立てていく考え。

大日向小の開校と同時に3姉妹の進学を決め、東京・府中市から佐久市に転居した上岡美里さんは「公立小学校から移ったので、少人数や異年齢の交流で子どもの個性や変化がよくわかった」と話す。

転入時点で小6だった長女は、中等部(フリースクール)に進み、2022年開校の大日向中学校の卒業1期生となった。その後は徳島・神山町で2023年に開校した全寮制の神山まるごと高等専門学校に1期生として進学。新しいことに挑戦する活発なタイプかと思いきや、そうではないと首を振る。

「どちらかというと、控えめで自分から積極的に前に出るタイプではなかった。選考では面接もあったので、自分の内面と向き合いアウトプットを重ねてきたことが、娘の強みになっていたのでは」と話す。

移住後ワカサギ釣りを楽しむ上岡さん一家

一方、「イエナプランだから、移住したからといって、すべてがうまくいくとは限らない」とも。「豊かな自然があっても外に出たがらないなど子どもの個性もある。子どもが複数いる場合は一人ひとりに合わせられない難しさを感じることはあった」。親子で対話と選択を重ねながら過ごす姿が見える。

次ページ子どもたちに必要なのは、余白の時間、自由な時間
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事