風邪?「秋の花粉症」を疑うべき5つのポイント ブタクサ、カビ、ダニ…秋はアレルギーの季節

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温暖化の進展で、日本でも今後、ブタクサを中心とした秋の花粉症が悪化してくる可能性は高い。

家にいても「衣替え」で秋に増えるアレルギー

さて、秋のアレルギーの危険は、屋外に限ったことではない。屋内でもこの時期、衣替えで冬服や布団を出していたら、咳や鼻水が止まらなくなる人は多い。

この場合、ハウスダストやカビによるアレルギーと考えられる。

カビといえば夏、と思われるかもしれない。確かに夏は高温高湿のため、カビが繁殖する。押し入れや風呂場など、とくに湿気の多いところには目に見える形でカビが生える。気候変動で夏が長くなっており、つまりカビが繁殖する期間も、カビアレルギーの症状がでる時期も長くなっている。

とくに今年はつい最近まで真夏日が続き、エアコンを使っていた期間が長かったことと思う。エアコンの内部は温度差によって結露しているため、カビにとって好環境だ。エアコンから吹き出る空気の中にはカビの胞子(アレルゲン)がたくさん含まれている。外からは見えないから気づきにくいが、内部の清掃が重要だ。

そしてこの長い夏が、秋のアレルギーをひどくさせている。

秋は室内アレルギーの季節でもある。ハウスダストがその原因だ。カビやダニ、さらにダニの死骸やホコリ、ペットの毛、人の髪の毛、フケなどが含まれる。

長い夏は、カビに加え、ダニを長期的に繁殖させる。秋になると死んでしまうが、その死骸さえもアレルゲンなのだ。小さく非常に軽いので、人の動きや空気の流れによって舞いあがり、吸入するとアレルギー症状が出る。

ダニアレルギーの場合は、鼻炎症状にとどまらず喘息に発展することもあるので、注意が必要だ。花粉症対策をしても症状が軽減しない人、外出していないのに症状がある人、むしろ家の中で症状が強くなる人は、花粉症ではなくハウスダストが原因の可能性が高い。

本格的に寒くなる前に、しっかり換気をしながら部屋の掃除を徹底的に行うなど、ハウスダスト対策を強化しておこう。

久住 英二 立川パークスクリニック院長

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くすみ えいじ / Eiji Kusumi

1999年新潟大学医学部卒業。内科専門医、血液専門医であり、旅行医学やワクチンに関する造詣が深い。国家公務員共済組合連合会虎の門病院で内科研修ののち、臍帯血移植など血液がんの治療に従事。血液内科医としての経験から感染症やワクチンにも詳しく、常に最新情報を集め、海外での感染症にも詳しい。2024年12月に立川高島屋SC10階に内科、小児科、皮膚科の複合クリニック「立川パークスクリニック」を開業した。

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