必要な仕事が1日1時間で本当に終わる人の思考法 小手先のやり方では絶対できない時間の削り方
「働きアリ」の7割は「何もしていない」
私は1日の仕事が1時間で終わってしまう。
もちろん、労働時間を自分で自由に決められる個人事業主や投資家ではない。世界90か国1000カ所以上の地域で事業を展開するグローバルリスクマネジメント企業で働いていたときの話だ。
アメリカの経済誌『フォーブス』による「世界最高の雇用主100社(Microsoft、IBM、 Alphabet、 Apple、Samsungなどが選ばれている)」のうち85社がクライアントで、さらに250以上の各国政府および政府間組織も含まれる。日本では住友商事、ANA、オムロンなどの各業種で日本を代表するグローバル企業が軒並み利用している。
こうしたグローバル組織に所属し、国外で働く人物に対し医療、セキュリティなど、リスクマネジメントの分野で幅広いサービスを提供するのがメイン業務の企業だ。
私はこの会社の営業部に配属され、同僚が週に5日、1日に10時間前後は働いて出す以上の成果を、その10分の1程度の時間で上げていた。
この話をすると、まずは「それは本当か」と疑われ、そしてうらやましがられる。次に「どうしたらできるのか」と質問してくる人もいれば、「空いた時間で売上目標200%達成をめざすべき」と言ってくる人もいた。
みなさんは、どう考えるだろう。
多くの経営者は、社員が勤務時間にフル稼働して売上目標200%をめざしてくれることを好む。彼らの最優先課題は売り上げや利益を上げることだからだ。そのためには与えられた仕事に、わき目もふらず取り組む「働きアリ」が一定以上いてくれたほうが、都合がいい。計画的に売り上げや利益を積み重ねてくれる人材が多いほど、目標を達成しやすくなるからだ。
しかし、おもしろいことに「働きアリ」を観察すると7割ほどが「何もしていない」ことが、生物学の研究で明らかになっている。さらに巣のなかのアリを1匹ずつ識別して継続的に観察すると、まったく「働かないアリ」も存在したという。
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