3月にグーグルが主催したアイデアソンでは、参加者のバランスに留意したという。「女性は女性、人事は人事と、同じ立場の人たちだけで集まっても、それだけではリアリティがないし、その場にいない人のことを考えるのは難しい」と山本さん。グーグルが女性支援活動で重視しているのは、具体的なアクションとダイバーシティの視点なのだ。
女性起業家を応援する西友の狙い
米ウォルマート傘下にある西友が、日本で進めている女性支援活動が関係者の間で注目を集めている。ウォルマートの社会貢献活動は環境、食品寄付、女性の経済的自立支援の3つの柱があり、それに沿う形で西友も活動を行っている。
女性の自立支援の領域では、これまで産後ケアのマドレボニータ、病児保育のフローレンスなどを支援してきたが、今年は日本女性起業家支援協会(JMEC)が加わった。日本ママ起業家大学の受講希望者で経済的課題を抱えた女性を対象に、受講料を免除する奨学金制度を始めるのだ。
「西友が女性起業家を応援しているというメッセージでもある。もともと、お客様もアソシエイト(従業員)も女性比率が高く、女性が仕事でもプライベートでも暮らしやすい世の中になることが、ビジネスの永続的な発展につながると認識している」と話すのは、西友執行役員の金山亮氏。さらにウォルマート流と言えるのが、取り組みの対象を取引先まで広げていること。サプライチェーンまで目配りしている企業は、日本ではまだまだ少数派といえる。
その具体例が、「女性が活躍する企業からの商品公募」キャンペーンだ。女性が経営トップの役職に就いている企業など、女性が活躍している企業から積極的に商品を調達するもの。3回目となる今年はすでに募集を終了、7月に結果を発表する予定だ。公募の中から選ばれた商品はオンラインの「SEIYUドットコム」で販売するほか、一部は実店舗でも販売する。
2014年の助成金実績は3360万円だった。「大企業と比べると微々たるものかもしれないが、エッジを立てて使っていきたい」と金山氏。支援する団体を選択するに当たっては、「先進的な着眼点を持っているか、持続可能な運営をしているか、民間企業がなかなかできない領域にチャレンジしているか、といったポイントを重視している」という。
金山氏はウォルマートについて、「世界最大の小売業という立場を活用し、自社を超えて影響力を発揮しようとしている」と分析する。リーダーシップを取り、社会に積極的に発信しようとするそのスタンスは、グーグルも同じ。グローバル企業としての自覚の表れと言えそうだ。
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