中国の「空飛ぶクルマ」、実用化に向け大きく前進 イーハンが耐空証明の前段階の形式証明を取得

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EH216-Sは完全自動操縦の2人乗りeVTOLで、16基のプロペラを電動モーターで駆動して飛行する。その外観は巨大なドローンのようであり、伝統的な航空機とは大きく違う。

中国民航局は空飛ぶクルマの早期実用化を積極的にサポートしている。写真はイーハンと民航局が開催した型式証明の授与式典(同社ウェブサイトより)

「生産許可証の取得の難易度は、機体製造の複雑さの度合いによって決まる。空飛ぶクルマの構造は伝統的な航空機に比べて単純であり、(イーハンの)許可取得にそれほど時間はかからないだろう」。ある中国のeVTOLメーカーの創業者は、財新記者の取材に対してそうコメントした。

民航局のサポートの思惑

空飛ぶクルマは航空機産業における「新種」だけに、機体の安全性の審査プロセスにおいてジェットエンジンやレシプロエンジンを用いた伝統的な航空機の基準をそのまま適用するのは難しい。

業界の常識で考えれば、イーハンが3年に満たない時間でEH216-Sの型式証明を取得したのは異例のスピードだ。言い換えれば、イーハンが世界に先駆けて型式証明を取得できた裏には、民航局の積極的なサポートがあったと考えられる。

本記事は「財新」の提供記事です

中国の航空機産業は、伝統的な航空機においては欧米諸国に立ち遅れている。それだけに、民航局は空飛ぶクルマの実用化で中国が世界をリードできるよう後押しし、耐空証明の(世界レベルの)審査基準づくりにおいて主導権を確保したいとの思惑があるとみられている。

(財新記者:方祖望)
※原文の配信は10月13日

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