一方で、お笑い芸人の使用している「イジる」は、「相手に敬意を持ち、相手を好きだから笑いに変えるため」 に行っています。
なぜ、このようなことが言えるかというと、例えば嫌いなお笑い芸人が同じ番組に出ていたとしましょう。
嫌いだから相手をイジり、嫌いな相手が笑いに変わってしまっては出番が増えてしまいます。これでは、嫌いにもかかわらず売れるアシストをしているようなものです。
では、どうするかと言うと、嫌いな相手はイジることはせず無視するわけです。
芸人と、一般人の「イジる」は目的が違う
また、「イジられる側」のひな壇に座るお笑い芸人の方々は、MCの方に対して憧れがあることが多いです。
例えば、ダウンタウンの浜田雅功さんにツッコまれ頭を叩かれたら、お笑い芸人たちは皆が喜ぶように、何を言われようが嬉しく感じるという関係がすでにある状態だということです。
つまり、一般の方の「イジる」とお笑い芸人が活用している「イジる」では、技術以前に目的が違い、さらには何を言われようとも、何をされようとも喜べる関係がすでにあるということを理解する必要があるわけです。
この目的の違いや関係構築の違いを理解したうえで、どうすれば「イジる役」は、飲み会を心理的安全性が高く、関係開始をしやすい空気にしていけるのでしょうか。
具体的なスキルについて説明していきます。
前提として、職場などで「イジる役」を担うのは、役職や年齢が上の方で、部下や立場が弱い人に対して行うことが多いです。
そのため、ネガティブな言葉を使ってしまうなど、「イジる」には、パワハラなどの大きなリスクを伴います。
「いや、自分は普段からいい関係を構築ができているので……」という方もいると思います。ただ、いくら関係構築ができていたとしても、相手の状況がたまたま「恋人と別れてしまった直後だったら……」「体調不良で精神的にも弱っていたら……」「別の人間から破壊的なフィードバックを受けていたら……」など、私生活や職場の中で起こる出来事によって弱っていて、傷ついてしまうリスクはいくらでも存在しています。
さらには、そのリスクを負ってのリターンとなる「笑い」という現象は、時代の流れとしても「人を下げる笑い」では得るのは難しくなってきています。
こんな状況の中で「人を下げる笑い」を、あなたはやる意味があると思いますか?
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