花王コフレドールで波紋「大手ドラコス」の苦境 「プチプラ」「デパコス」は好調なのになぜ?

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市場調査会社インテージによると、2019年に4082億円だったメイクアップ市場(スキンケアなど基礎化粧品は除く)は翌2020年に3045億円へ落ち込んでいる。コロナ禍で外出機会が減ったことやマスク着用が常態化したことが要因だ。

ただ2023年1~9月は2676億円と、前年同期間比で16.2%増と回復傾向にある。3月に屋内でのマスク着用が「個人の判断」となったことで、2022年1~9月に129億円だった口紅市場が2023年の同9ヵ月で220億円まで拡大したことが牽引している。

2016年にピークアウト

メイク市場の本格復活を前に花王が厳しい決断をした背景には、環境の変化がある。

イギリスの調査会社ユーロモニターによると、中・高価格帯の高級化粧品の2022年の市場シェアは、資生堂が18.1%、コーセーが14.2%、花王(カネボウ含む)が10.7%と大手3社で計43%を占めている。

コーセーでエスプリークなどの中価格帯化粧品などを担当するコンシューマーブランド事業部の宮沢滋グループマネージャーは「(エスプリークは)2016年頃にピークを迎えて以降、正直苦戦している。コロナ禍でライトメイクの習慣ができてしまい、主要顧客層の30~40代が戻ってこない。一度でも低価格帯の品質で満足してしまうと、支出金額を戻すのは容易ではない」と明かす。

低価格メイクは「プチプラ」と呼ばれるが、市場を牽引するのが韓国コスメだ。「ロムアンド」や「ティルティル」といった韓国コスメの知名度は年々高まっており、日本化粧品工業会によると2017年に約200億円だった韓国から日本への化粧品の輸出額は、2022年には800億円に迫る勢いで伸びている。今やアメリカや中国を抑え、フランスに並ぶトップ輸入元だ。

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