花王コフレドールで波紋「大手ドラコス」の苦境 「プチプラ」「デパコス」は好調なのになぜ?

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口コミサイト「アットコスメ」を運営するアイスタイルでトレンド分析を行う西原羽衣子氏は「生活者は同じ価格でどれだけのリターンを得られるかをシビアに判断している。低価格帯の品質が向上したことで、中価格帯で差別化することが難しくなっているのではないか」と指摘する。

プチプラで人気を集める「韓国コスメ」の売り場を広げるドラッグストアが増えている(撮影:今祥雄)

韓国コスメの多くは、製造をOEMに委託し自社はマーケティングや商品企画に特化している。消費者の声を拾い上げて開発に生かすことに長けており、若年層から人気を博したことで「(中価格帯の主要顧客である40〜50代の)親世代も低価格帯に流れ始めている」(同じくアイスタイルでトレンド分析をしている原田彩子氏)。

中価格帯メイクはドラッグストアでの売り上げを落としており、前述のようにリベートを払うことで棚に置き続けてもらうような状況に追い込まれている。ただ、売れないブランドを放置すれば小売店側も店舗の競争力低下に関わるため「売れ筋の韓国コスメの品ぞろえを強化し、商品棚を徐々に入れ替え始めている」(ドラッグストア幹部)ところもあるようだ。

高価な「デパコス」は絶好調

一方、「デパコス」と呼ばれる百貨店で販売される1万円前後の高級化粧品は売れている。日本百貨店協会によると、全国の百貨店での化粧品の売り上げは8月に前年比26.2%伸長している。コーセー「ジルスチュアート」や「アディクション」といった高価格帯メイクブランドは、2023年12月期第2四半期(1~6月)時点で、前期比2桁の伸長率と勢いがある。

コロナ禍の行動制限で減少した百貨店の客数が戻り始めたことが寄与したが、中価格帯のように低価格帯に顧客を奪われる傾向は見られない。「自分が何にお金をかけたいかがはっきりしてきており、贅沢な一品として高級な美容液を買って、プチプラの韓国メイクを買うという行動が一般化している」(アイスタイルの原田氏)ことで、市場が二極化しているのだ。

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