マイナ保険証、今度は「窓口負担誤表示」多発の実態 信頼失墜し利用率が低下、紙の保険証廃止は無理筋

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3割負担が正しいのに2割と表示

紙の保険証では3割負担となっているのに、オンラインで資格確認をしたところ2割と表示された。いったいどちらが正しいのか――。

千葉市緑区のドクターケンクリニックでは6月下旬、男性患者(72歳)が差し出した紙の保険証と、オンライン資格確認システムで確認した場合とで負担割合が相違する問題が見つかった。

「区役所の担当課に問い合わせたところ、当初はオンライン資格確認のほうが正しいという説明だったが、折り返しの電話があって、紙の保険証のほうが正しいという訂正の連絡が入った」(ドクターケンクリニックの事務担当者)

「患者さんが帰る前に正しい情報が入ったからよかったものの、こんなことは初めて。危うく間違った金額を患者さんに請求しかねなかった」と、中村健一院長は危機感を強める。

ドクターケンクリニックの中村健一院長(撮影:筆者)

厚労省が、自己負担割合の誤表示が相次いでいることを認識したのは7月。千葉市の市長が誤表示の事例が見つかったことを記者会見で認めたことがきっかけだという。

千葉市の国民健康保険ではこれまでに7件の誤表示の事例が判明。市健康保険課の担当者によれば、「所得などの情報を基に本来、3割で登録すべきところを、誤って2割と入力。その後、間違った情報を消去せずにシステムに残してしまっていたことが原因だった」。

こうした事例が全国で相次いでいる。

レセコンの仕様がオンライン資格確認システムに対応しておらず、正確な負担割合が表示されないといった問題も多発している。

千葉県船橋市の船橋二和病院・ふたわ診療所では、マイナ保険証をカードリーダーでかざした際に、高額療養費制度の「限度額情報を提供しますか?」という画面が現われ、「提供しない」をタッチした場合に、負担割合が正確に表示されないといった問題に直面した。70歳以上74歳の高齢者の場合で、本来は収入に応じて3割と2割に負担割合が分かれるはずが、一律3割になっていた。

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