「アメリカから訴えられた」日本人の壮絶な9年間 外資系企業で働く敏腕トレーダーを襲った悲劇

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
アメリカ司法省から訴えられ、職を失った男性の9年間の闘いとは……(写真:TK/PIXTA)

日本のビジネスパーソンが日本以外の国から訴えられる――。これは中国やロシアでの出来事ではない。

アメリカの司法当局に起訴されながら、9年間にわたって個人で当局と粘り強く交渉し、起訴取り消しを勝ち取った男性がいる。オランダの投資銀行でマネージングディレクターを務めていた本村哲也さん(51)だ。

なぜ彼は起訴されたのか、そしてどうやって起訴を取り消しまでもっていけたのか、話を聞いた。

個人も積極的に起訴するアメリカ

アメリカの司法当局は不正に関わった企業のみならず、従業員個人も積極的に起訴する姿勢を鮮明にしている。企業への責任を問うのと同時に、個人への責任追及を強化することで摘発を当局の有利に進めるためだ。

本村さんは敏腕トレーダーとして名を馳せ、東京支店のマネージャーにまで上りつめ、充実した日々を送っていた。

ところが2012年、本村さんの所属先を含む複数の投資銀行が絡んだ“ある事件”が注目を集める。イギリス・ロンドンの銀行間金利、いわゆるLIBOR(ライボー)を操作したとして、電信詐欺などの容疑でアメリカ、イギリスの両司法当局が捜査に乗り出したのだ。

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事