景気後退予想を裏切り続けるアメリカ経済の強さの一因には保護主義的政策もありそうだ。
日本では株式市場が史上最高値更新を続け、明るいムードが広がっている。だが、日本の実質GDP成長率は昨年7~9月期、10~12月期と2期連続のマイナス成長となった。昨年後半の成長率は年率で2%程度のマイナスだったことになる。もっとも昨年後半に実質マイナス成長となったのは日本だけではない。ユーロ圏、イギリスも日本ほどではないが実質マイナス成長となっている。
一方、アメリカの実質GDP成長率は昨年7~9月期が前期比年率+4.9%、10~12月期が同+3.3%となり、昨年後半の実質成長率は同+4%程度となった。2023年が始まった頃の一般的な予想では、2023年後半にアメリカがマイルドリセッション入りするとの見方が多かったが、まったく逆方向の結果となっている。
1990年代半ば以降になかったアメリカ独り勝ちの例
また、アメリカとその他主要国(日本、ユーロ圏、イギリス、カナダ)との成長率の差は大きい。四半期ごとの実質GDP成長率について、アメリカとその他主要国の単純平均値とを比べると、昨年後半の差は4%ポイント台後半まで拡大した。コロナ前後の激しい変動時を除くと、1990年代半ば以降、ここまでアメリカ経済が独り勝ちとなった例はない。
今年も市場は一時、年末までにFRB(米連邦準備制度理事会)が25ベーシスポイントの利下げを7回近く行うことを織り込んだが、今では3回程度の利下げ織り込みに後退している。なぜ市場の弱気予想にもかかわらず、アメリカ経済は独り勝ち状態が続いているのだろうか。
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