
2月まで史上最高値近辺で推移していたS&P500指数などアメリカの主要株価指数が、3月に入って、一時ピークから10%近くも急落。米国株市場への楽観論が揺らいでいる。
昨秋以降の市場では、ドナルド・トランプ大統領は景気と株価を重視する姿勢であり、関税引き上げや歳出削減などはパフォーマンスにとどまる、との見方が優勢だった。だが、現実に関税政策が発動されるのを目の当たりにして、にわかに景気への悪影響が懸念され始めた。
一方、アメリカの外に目を向けると、株価の状況は必ずしもアメリカに右に倣えとはなっていない。最も目立つのは欧州株の上昇だ。
ドイツの株価指数、DAXは昨年11月を起点に約25%も上がっている。防衛予算の増加に伴う財政支出の拡大が、低成長にあえいでいたドイツ経済の回復を促すとの期待が高まっている。ほかのEU(欧州連合)加盟国に対してつねに財政緊縮を促してきたドイツが財政拡張政策に転じるというメッセージは、市場に大きな衝撃を与えた。
ヨーロッパで低成長が続いた事情
ここ数年の株式市場でアメリカ一極集中の状況が続いていたのは、アメリカとそれ以外の地域との経済成長格差がかつてなく広がったことが主因だったと考えられる。2023~2024年の実質GDP(国内総生産)成長率は、平均でアメリカが2.8%だったのに対し、日本が1.1%、ユーロ圏が0.5%と、ヨーロッパの低迷が際立っていた。
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