コロナ禍で約110万人も参入「ゴルフ」活況の裏側 10年で100万人の新規ゴルファー創出は可能か?

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ステップゴルフの特徴は3つある。

まず、料金設定。習い放題(1回50分)で月4980円~(税別)とインドアスクールでは業界最安を謳っている。「ゴルフのスタートアップの場にしようと思いました。そのためには料金は大きなポイントになると考えました。安かろう、よかろうを目指しています。今はまだ、まあよかろう、ぐらいかもしれませんが」と笑う。

1店舗平均会員数は230人ほどで、会員がスクールに通う滞留期間は1人平均18カ月という。230人が10年で4回転ちょっとすれば1店舗で1000人の会員を生み出すのは数字のうえでは可能だ。

レベルの高いレッスンよりも、親しみやすさを目指した

2つ目は指導者。「PGA(日本プロゴルフ協会)の会員もいますが、基本的にはうち独自のステップゴルフ認定コーチが主体です」と言う。

人材はゴルフ好きの社会人経験者や、高校大学のゴルフ部やゴルフサークル出身者など「資格を持っていない人が多い」と言い、ステップゴルフで技術的なことや接客などを含めた研修を行って認定。1店舗で店長とコーチを兼務する形態をとる。

「レベルの高いレッスンよりは、初めてゴルフをする人の気持ちがわかりやすい人を採用する。レッスンを受けてゴルフが嫌になるという例を見てきましたので」と、親しみやすく、初心者に必要な基本的なことを教えられればいいと言う。先述したスポーツ庁の調査に出ているような「友人・知人・同僚」という雰囲気を出しているようだ。

(写真:ステップゴルフ)

榎本代表自身は高校ゴルフで全国大会出場経験もあり、JGTO(日本ゴルフツアー機構)のツアーメンバーにもなった。キャディーのアルバイト経験もあり、ゴルフスクールの前はゴルフ用品の販売も手掛けていた。

そうした経験の中で「ゴルファーが掘り起こされていない危機感を感じました」というのが初心者をターゲットにした形態であり、指導者も「初心者」を採用している。

3つ目は会員構成。20代、30代……60代までほぼ20%ずつという年齢構成も珍しいが、会員の4割が女性という。

「ハードルの低い雰囲気にして、女性が居心地いいように、トイレをきれいにしたり、フレグランス(香り)には気を使っています。仕事や生活から離れられるようにし、ゴルフを共通の趣味とした人が集まれる場でもありたい」というのが、女性のハードルを低くしているようだ。

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