配信は2年前「スイカゲーム」今、急に売れ始めた訳 2023年9月に100万DL、元々はプロジェクターのゲーム

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スマートフォン向けの基本プレイ無料のゲームでは、たいていガチャという要素が存在する。これはゲーム内通貨や現金でアイテムをランダムに入手する、かなりギャンブル性の高い行為だが(国によってはギャンブルと認識され規制されている)、もはや定番の要素となっているし、ガチャをすること自体がSNSやゲーム配信で盛り上がる。

カジュアルゲームでは運がいい方向に作用

ゲームに運の要素があれば、一発逆転の可能性を考えてあきらめずに最後まで頑張れるし、負けたとしてもたまたま運が悪かったと正当化できる。「もしも運がよかったら」と楽しい未来を想像してポジティブな気持ちになることもあるだろう。

高スコアを出すには運も必要(画像は任天堂公式サイトより)

ただし、悪い側面も大きい。「運ゲー」という蔑称があるように、運の要素が強すぎるゲームは面白さを損なう。また、競技シーンにおいて運の要素は嫌われるケースがある。わずかな腕前の差が勝敗を分けるプロの世界において、運によって多少の有利不利が変動してしまえば、それは選手たちの努力を否定するものになってしまうからだ。

このように運の要素には良し悪しがあるのだが、カジュアルなゲームにおいてはおおむねいい方向に作用する。『スイカゲーム』では果物が転がる運が重要な要素となっており、その運によって大きな収穫をつかんだゲームといえるだろう。

渡邉 卓也 ゲームライター

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わたなべ たくや / Takuya Watanabe

いわゆるテレビゲームを専門にコラム・評論などの記事を書くライター。大学卒業後はサラリーマンになったが、満足にゲームを遊べない環境にいらだちを覚えて転身。さまざまなメディアにゲーム関連の記事を執筆。駄作に対して厳しく書いてしまうことでも知られる。

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