日経平均が「バブル化」すればいくらになる? 「時価総額の平成バブル越え」が意味するもの
戦争だけでなく、資産バブルの崩壊も、日本に大きなダメージを与えた。だが、そのマイナスのエネルギーは、敗戦に比べればはるかに小さいだろう。その「小さいバブル」の崩壊からすでに約25年だ。「もうバブルは2度と来ない」と決めつける方が、逆におかしいのではないか。
さて、話を「時価総額バブル越え」の話題に戻そう。
こんな計算をして見た。日経平均株価3万8915円を、当時の上場銘柄数1165で割ると1銘柄あたりの価値は、33円50銭だ。
一方、現在の約2万円を、現在の上場銘柄数1883で割ると10円60銭になる。ということは、日経平均対応の上場銘柄1銘柄の価値(?)は、おカネが沸騰した「あの時」の3分の1まで戻っている。今後、ITバブルを地力で突破したイメージで、現在の10円60銭が、地力で33円50銭を「突破」できるだろうか?
今後のカギを握るのは何か?
いわゆる「朝鮮動乱」で日本に特需が来たとき、昭和25年(1950)の日経平均は実は102円だった(日経平均の考え方などは、日本経済新聞が詳しく説明している)。
それから日経平均は怒涛の進撃が展開されるのだが、その間、日本企業の致命的弱さは自己資本不足だった。
従って、経営者の使命は、つい最近までは自己資本比率の安定的上昇だったとも言える。配当政策も、第1に「安定配当」で、むやみに増配する事は減配のリスクが増すだけとして、内部留保に努めていた。
それに協力する形で機関投資家も株を静かに保有し、企業経営に口出しする事はほとんどなかったといってよい。
だが、これを根本的に変えるのが「スチュワードシップコード」(機関投資家行動規範)と「コーポレートガバナンスコード」(経営行動規範)だ。つまり、企業価値向上のため、経営者と機関投資家が同じ方向を向くこととなったのである。この運用により、明らかに株の地力は増すはずだ。
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