"SNS売れ"するコスメに学ぶヒットのメカニズム 「バズったのに売れない」商品にしないために

✎ 1 ✎ 2
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

私たちは、バズコスメに関する調査分析を2019年から継続しておこなっています。ゴールを「POSを動かす(売上を上げる)こと」と定め、SNS上でどのように評判が形成され、拡散し、実際の「売れ」につながっていくのか――、そのメカニズムの解明に取り組んできました。

その結果、過去にバズって売れた商品において、話題の広がり方にある法則性を見出すことができました。そして、その法則性をもとに分析データを読み解いていくことで、「SNS売れ」の仕組みが明らかになってきたのです。

話題の連鎖がポイントに

私たちは、一瞬の盛り上がりだけを見てすぐに結論づけるのはSNSマーケティングをおこなう上では危険なことだと考え、これまでの分析結果をもとに「バズコスメ」を以下のように定義しました。

バズコスメ=「複数のSNSで話題が連鎖」し、その結果売上が向上した化粧品

この定義にある通り、ここで言う「バズ」というのは「1つの投稿が〇万リポストされた」といったような一時的な点の事象ではなく、X(旧Twitter)、Instagram、YouTube、TikTokなど複数のSNSプラットフォームにまたがり話題が連鎖していき、商品がヒットするくらいに生活者の心を動かした、という連続的な線の事象を指しています。

また、この「話題が連鎖する」というのは、複数の文脈で発話(投稿)が次々に起こり、その投稿を見た人がまた発話する、といった形で話題が波及していくことを指しています。

SNSで話題になったコスメに関するSNSでの反応と売れ行きを示したグラフ
新発売の化粧品が“バズコスメ”となり、SNSの反応や売り上げが継続していく様子(出所:『バズコスメ300点を徹底分析してわかった 美容×SNSマーケティング 「売れ」の法則』)

連鎖するといっても同じ内容の発話がリレーのバトンのようにつながれていくのではなく、発売前、発売時、発売後のフェーズで発話の内容は変化していきます。

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事