経済学とその他の社会科学の違い、言えますか? 経済学者がよく使う「合理的行動」の意味とは
経済学の分野で、革新的な業績をあげ続けているスーパースターのチームが、大学の学部生のために執筆した教科書がある。『アセモグル/レイブソン/リスト 経済学』だ(日本語版は入門経済学/ミクロ経済学/マクロ経済学の3分冊で刊行)。
一流の経済学者は、これから経済学を学ぶ初心者にどんなことを教えようとしているのか。その一部を、抜粋・編集して紹介しよう。
経済学の2つの分野
経済学はミクロ経済学とマクロ経済学の2つの分野に分けられる。
ミクロ経済学は、個人、家計、企業、そして政府がどのように選択を行うかを研究する。
さらにその選択が価格、資源配分、そして別の経済主体の幸福にどう影響を及ぼすのかを研究する。
たとえば、ミクロ経済学者は公害を減らす政策を考える。
地球温暖化の原因の1つは、石炭、石油およびその他の化石燃料からの炭素の排出だ。ミクロ経済学者は、このような燃料の使用を削減する政策を設計する。
炭素排出量を対象にした「炭素税」はその一例だ。
炭素税を活用すると、化石燃料をより多く使う石炭発電のようなエネルギー源は、そうでない風力発電のようなエネルギー源に比べて、エネルギー単位当たりで高い税が課されることになる。
ミクロ経済学者は炭素税を設計する仕事や、このような税が家計や企業のエネルギーの使用にどのような影響を及ぼすのかを判断する仕事をする。
一般的には、経済全体の中の細かい部分を理解したいときには、ミクロ経済学者にお声がかかる。
トピックボードAD
有料会員限定記事
政治・経済の人気記事