2つの選択肢のうち、どちらの選択肢も選びづらい状況を指して「究極の選択」ということがある。例えば、「給料が安くやりがいのある仕事と、給料が高くやりがいのない仕事のどちらを選ぶか」はこれに当たる。
では、「究極の選択」になりうる、あるいはなりえないのはどんな場合か。本稿では、それを明らかにすることを目的として筆者が行った研究を紹介したい。
まずは次のような状況を考えてほしい。あなたは乗用車の購入を検討しており、次の2台が候補に挙がっている。乗用車Aは、内装は豪華だが経済性は低い(価格は高い)。乗用車Bは、経済性は高い(価格は安い)が内装は貧弱である。つまり、これら2つの選択肢には経済性と内装の一方を選ぶともう一方を諦めねばならないというトレードオフが存在する。
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