怒り心頭の「パルコ問題」、今後は投資家として対処--森章・森トラスト社長
--森トラストが筆頭株主になっているパルコに対し、3月末、社長交代などを求める株主提案を提示しました。そこに至るまでの経緯をあらためて教えてください。
かつてのセゾングループが解体される過程で、パルコは2001年に社債が満期になり、借り換えができなくなっていた。そこで頼まれて、われわれが増資に応じた。それが両社の関係の始まり。当時の出資比率が約20%。その後に33%強まで買い増しして、持ち分法適用会社になった。
ただ、人口減少もあって、流通はこれから大変な時代が来るだろう。会計基準もIFRS(国際会計基準)に替わる。そうすると、パルコのような業態は賃料しか売り上げに計上できない。
そういう中で合従連衡が起こる。パルコ単独では情勢が厳しい。そこで、どこかと合併したときにパルコ側が主役で生き残れるよう、新たな増資を持ちかけた。正式に申し込んだのは昨年1月のことだ。
そうしたら向こうが警戒して、何カ月も答えを保留にされた。昨年5月の総会前に「6月の役員会で決議します」と言ってきたので、株主総会で信認した。ところが、8月になると、日本政策投資銀行(政投銀)に新株予約権付きの転換社債を発行して、資本・業務提携を結んだ。
33%強の株式を持つわれわれに対して、あのような形で勝手に希薄化させる行為はありえない。あの行動は上場していないオーナーの行動。彼らは1年単位で経営を任されているだけ。それを株主が選ぶわけだ。ましてや、政投銀なんて、ただのファンド。安定株主でも何でもない。そんなところに勝手に売るなんて、どうかしている。