ChatGPTなど「生成AI」は企業をどう変えるのか 人材、EC、メディア…各業界が激変する可能性

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もちろん生成AIは、一次情報をまとめる場合完全に自律的に動作するわけではなく、人間の指示が必要となるため、人間の専門知識、洞察、判断力は欠かせませんし、しばらくはその過程で人間が提供する二次情報の価値も依然として残るでしょう。

しかし、私は、人間が直接一次情報をまとめ、二次情報としてのコンテンツを作る必然性・重要性は今後大きく減退すると考えます。

例えば、冷蔵庫の例で考えてみましょう。

一次情報:例えば冷蔵庫の製造元から提供される製品仕様、機能、価格などの直接的な情報。また、ユーザーが直接使用した経験からのレビューや評価も一次情報に含まれます。

二次情報:一次情報をもとに作られた情報で、その例として「おすすめ家電のまとめ記事」があります。この記事は、複数の一次情報(例えば、複数の冷蔵庫の製品仕様やユーザーレビュー)を分析、比較、集約した情報を提供します。

三次情報:これは二次情報をさらに分析、解釈、評価した情報で、例えばGoogle検索結果がそれに該当します。Googleの検索アルゴリズムは、ウェブ全体の一次情報と二次情報を分析し、ユーザーが入力した検索キーワードに最も関連性の高い情報を提供します。三次情報は、多種多様な情報源からの情報を統合し、ユーザーにとって最も有用な情報を提示するという形で生成されます。

「冷蔵庫」に関する情報を次元別にみてみると、上記のような構造になっています。ここに生成AIが登場すると、どのような変化が起きるでしょうか。各メーカーが保持する冷蔵庫の商品情報やSNS上のレビューなど、各種一次情報を生成AIが直接まとめることで、直接ユーザーに対しておすすめの冷蔵庫をレコメンド(二次情報の提供)できるようなビジネスモデルが発生する可能性があります。

生成AIが各業界に与えるインパクト

長期的にみると、この流れは様々な業界で変化を生み出すはずです。

《人材業界》

生成AIの進化により、一次情報(スキルや経験、経歴など)の解析と分析が自動化される可能性があります。今まで転職エージェントは、様々な人間のスキルや経験、経歴を評価し、二次情報としてまとめて、企業とのマッチングを生み出してきました。しかし、候補者の評価やレコメンドを生成AIが代替してしまった場合、転職エージェントの存在価値は大きく変化するはず。

ただ単に転職サイトで、潜在的な転職候補者を探すのではなく、一人ひとりの候補者としっかりと向き合い、生成AIが知り得ないその人の魅力をつかんだり、人間関係を構築したりする能力の重要性が増していくでしょう。

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