壮絶!トヨタの「片づけ」はここまでやる 職場環境をカイゼンすると"成果"が変わる

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――片づけをする目的、それは前回もご紹介した「7つのムダ」を無くすことです。

先ほどの事例で、考えてみましょう。例えば、動作のムダ。物が散乱したデスクだとスペースが不足して、必要な物を近くに置くことができません。必要な物を取るのにも、手を伸ばしたり体を曲げたりとムリな姿勢になります。そもそも必要な書類を探す時間も、余計にかかるでしょう。

トヨタ時代に530人の部下を持っていたある元課長は、それだけの人を抱えていながら、デスクの上にあるのは電話1つ、キャビネットも3つだけでした。彼は「本当に必要なものなら、キャビネットやPCの中にきちんと保管しているはず。机の上に乱雑に置かれている時点で、捨てても構わないものである可能性が高い」と言います。

別の元課長はトヨタ時代に「必要な書類は10秒で取り出すことが暗黙のルールだった」と言います。皆さんは、必要な書類を、10秒以内で取り出すことができますか?

あるいは、在庫のムダやミス・手直しのムダ。不要な書類や必要以上の備品を保管することは、スペース確保のための保管料を払っていることになります。賃料はオフィス一括で支払っているので、日頃1人ひとりの社員が意識することはないかもしれません。しかし、皆さんのデスク上の2割を不要なものが占めており、他の人も同様の割合だとすると……毎月いくらの賃料をムダな物を保管するために払っていることになりますか?

③ 製造現場とオフィスの違いは、工具とペンの違いだけ

製造現場ではこれまでも行われてきた5S。でも、これはオフィスでも通用するのか?あるいは、効果があるのか?恐らく読者の皆様の頭には、このような疑問があることでしょう。

製造現場とオフィス。仕事内容は大きく異なりますが、本質的な違いはありません。違いは、工具とペン、製品と書類の違い。ただそれだけです。5Sは改善の基本であり、弊社でもオフィス系の現場でも実施します。ある自治体では、「住民の皆様へのサービスを向上する」ために、片づけに取り組んだ事例もあります。

大切なのは、ゴールです。5Sは、物をキレイに並べただけの「整列」と混同されることがありますが、本質は全く異なります。ゴールは、TPSの二本柱である「ジャスト・イン・タイム」に通じており、「必要な物を、必要な時に、必要なだけ」取り出すための環境づくり。片づけは、仕事の効率をあげるためのビジネスツールなのです。

ステップ1:整理 

① 「いつか使う物」への対応が鍵

最初に「いる物」と「いらない物」の判断基準を作りましょう。

まず「いる物」とは、今皆さんが手掛けている仕事に関する書類や、毎日使う文具類など。これは当然ですが、保管します(保管方法は「整頓」の項目で説明します)。そして「いらない物」とは、壊れている文房具、明らかに古すぎる書類などで、即刻捨ててください。この2つはわかりやすいですね。

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