婚活「確実に成功する女性」「迷子になる女性」の差 婚活市場では男性より優位な女性に潜むわな

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「選り好み」しなければ結婚できるのはわかっていても、当事者である婚活女性からすると、一生を左右する結婚相手に「妥協をしたくない!」と考えてしまうのは当然のことでしょう。

ここで問題となるのは、婚活女性が「何に」妥協をしたくないから、こじらせてしまっているのかを深く考えず、「現実を見ろ! 妥協しろ!」と第三者が説教してしまっていることです。

婚活で女性が「こじらせて」しまうワケ

婚活女性の「こじらせ方」は個々人でさまざまな事情があると考えられますが、考察をしやすくするために、さしあたって、婚活女性が交際・結婚を決断する基準であると予想される「希望する経済的条件を満たしているか」「交際・結婚を決断しうる恋愛感情を感じられるか」の2つに集約されると仮定し、第二回で紹介した小林・大崎(2016)の恋愛資本の議論を補助線にして、筆者が女性の「こじらせ方」を考察してみましょう。

既婚者の恋愛経験と結婚の因果関係について調査を実施した小林・大崎(2016)は既婚女性の場合、過去の恋人の人数は8.2人がピークであったと指摘しています。既婚女性の過去の恋人の数の平均人数は3.3人とされていますので、仮に3人以上の男性と交際経験がある方を恋愛強者女性、それ以下の方を恋愛弱者女性とします。※1

※1 小林盾・大﨑裕子(2016) 「恋愛経験は結婚の前提条件か:2015年家族形成とキャリア形成についての全国調査による量的分析」『成蹊人文研究』第24号, pp.1 -15.

前述のとおり、婚活市場で婚活女性は程度の差こそあれ、日常生活より多くの出会いの機会を獲得できます。婚活女性は経済的条件を満たす男性と出会った際に、恋愛弱者と恋愛強者で異なるこじらせ方=「この男性と結婚していいのか?」と逡巡する局面が生じると予想されます。

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