医学部入学試験分析のシリーズも今回で6回目。今日は、私が予備校で指導している医学部生物の問題について少し触れておこうと思う。
あまりに専門的な問題を取り上げて読者の皆さんを退屈させてしまってはいけないので、実際の医学部入試問題をクイズ形式にしてみた。一緒にお考えいただき、「難関試験を乗り越える子どもは、どういう頭をしているのか」を実感していただきたいと思う。
受かる子どもは、どうアプローチする?
今回取り扱う問題は、2問とも以前杏林大学医学部で出題された問題を改題しているものである。
ここで私がお話したいことは、「この問題の正解が何であるか」ではない。「どういうふうに問題と向き合うことが重要か」をお考えいただきたい。さて、ここで1つ、分かりやすいエピソードを紹介しよう。
4年浪人しているAさん(男性、22歳)と、現役で都内有数の私立の女子高校に通うBさん(女性、18歳)の2名にこの問題を出題してみた。すると、まったく異なる反応が見られた。
Aさん:「生物の教科書や図解集でカエルの胚の切断図は見たことがありますが、ニワトリの胚の切断図なんて見たことがありません。どう考えるんだろう。切断面には、一体何があるんだろう。何がポイントなのかなあ。分からんなあ。覚えた知識がまったく使えん。変な問題だなあ」
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