もし3月5日に決まらなかったとしても、2週間後の3月19日にはフロリダ州の予備選挙が行われる。デサンティス州知事が地元で敗れる、なんてことになればご当人にはまことに屈辱だけれども、遅くともこの日までには予備選が決着する公算が大である。
そうだとしたら、トランプ氏の言動は来春から世界を揺さぶり始めることになる。ツイッター改め「X」で何かポストすれば、たちまちマーケットも大騒ぎ、なんてことになるのかもしれない。
一例を挙げれば、この時期、3月17日にはロシア大統領選挙がある。おそらくはウラジーミル・プーチン氏が再選されるだろうが、そこでトランプ氏が何と言うだろうか。あるいは5月7日に予定されるロシア大統領就任式に呼ばれて、ホイホイとモスクワに出かけて行ったとしたら。9月19日にニューヨークの国連総会に出席したゼレンスキー大統領は、眉間のしわがますます深まっていたけれども、実は今からその可能性に怯えているのではあるまいか。
刑事事件の裁判が4件も開始、大統領復帰ならどうなる?
ところが、である。この裁判日程に、トランプ氏に対する4つの刑事事件の裁判日程が絡んでくるからややこしい。
今年になってから前大統領は、4件の刑事事件で起訴されている。連邦レベルが2件、州レベルが2件である。仮にトランプ氏が大統領に当選した場合、以下の②と③の事案に対しては、少なくとも理屈の上では、みずからに恩赦を与えて無罪となることが可能である。ところが①と④の事案は、それぞれニューヨーク州とジョージア州の州法に基づくものなので、たとえ大統領であっても取り消すことはできないだろう。
不倫相手への口止め料13万ドルに関する記録不正の容疑(大統領就任前)
初公判:2024年3月25日(ニューヨーク州地裁)
ホワイトハウスから持ち出した機密文書を自宅で私蔵していた容疑(大統領退任後)
初公判:2024年5月20日(フロリダ州マイアミ連邦地裁)
連邦議事堂乱入・占拠事件を教唆・扇動した容疑(大統領任期中)
初公判:2024年3月4日(ワシントンDC連邦地裁)
2020年大統領選挙のジョージア州結果を覆すよう圧力をかけた容疑(大統領任期中)
初公判:未定(ジョージア州フルトン郡地裁)
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