いや、前大統領が何を言っても、現時点ではあくまでもノイズにすぎない。ただし衆目の一致するところ、2024年選挙は2020年の「トランプ対バイデン」の再現になりそうだ。ジョー・バイデン現大統領の支持率も4割台と低いので、トランプ氏が大統領に返り咲く可能性はけっして排除できない。
その場合はFRB(連邦準備制度理事会)議長の人事権を握ることになる。現在2期目のジェローム・パウエル議長の任期は2026年5月まで。そして2025年1月20日には、トランプ氏が第47代の合衆国大統領として大復活しているかもしれないのだ。
予備選開始なら、トランプ氏はぶっちぎりで正式候補
次のアメリカの大統領選挙は2024年11月5日。まだ1年以上も先のことだが、すでに大統領候補者選びは始まっている。共和党は8月23日に、ウィスコンシン州で初の大統領候補討論会を実施した。来週9月27日にはカリフォルニア州で2度目の討論会を実施する。
共和党内でダントツ人気を誇るトランプ氏は1回目の討論会を欠席し、2回目もパスして同日はミシガン州デトロイトで組合員を前に演説する予定。おりしもUAW(全米自動車労働組合)は一部工場でストライキを実施中で、「史上最も組合寄りの大統領」を自認するバイデン大統領に対し、トランプ氏がどう差別化を図るのかは興味深いところである。
なにしろ世論調査(リアル・クリア・ポリティクス、9月6~18日調べ) を見れば、共和党候補者の中でトランプ氏の支持率は57.9%もある。2位のロン・デサンティス州知事は12.7%、3位の実業家ビベック・ラマスワミ氏が8.1%だから、まるで問題にならない(最新の数字は上記のリアル・クリア・ポリティクスを参照)。このまま年が明けて予備選挙が始まれば、ぶっちぎりで共和党の正式候補者に収まりそうだ。
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