ロシアのウクライナ侵攻をきっかけにした資源価格高騰の影響を大きく受けているのが、2位に入った三井松島ホールディングスだ。今2024年3月期の一般炭の平均価格は1トン=250ドルの前提。前2023年3月期実績の同344ドルからは大きく下落し、前期比では大幅な営業減益となるものの、コロナ前の水準(一般炭の平均価格は2018年3月期87ドル、2019年3月期107ドル、2020年3月期90ドル)と比べると営業利益は大幅増。利益率も大きく上昇している。
ただ、祖業でもある石炭事業は、豪州リデル炭鉱で州政府から許認可を受けている採掘エリアが今期中に終掘となる予定。来2025年3月期以降は石炭生産・販売分野の収益は見込まず、営業利益率が急減する見通しとなっていることには注意したい。
ゲーム、遊技機関連銘柄も上位に
2016年3月期以降に毎期2桁の営業増益を継続しているのが、4位にランクインしたゲーム大手のカプコン。2019年3月期に181億円だった営業利益は、2024年3月期に560億円と3倍に増加。営業利益率もコロナ前3期平均の21%から40%に上昇する見通しとなっている。
総本数に占めるデジタル販売の比率が増え、収益性の高い旧作の比率が向上していることが利益率向上につながっている。また、PC対応やデジタルマーケティングを強化したことにより、グローバルでの販売が拡大。販売地域は2018年3月期の218から、前2023年3月期には230に拡大しているほか、販売本数が100万本以上の国は2カ国から7カ国に増加している。
ホール向けのコンピューターシステム最大手のダイコク電機が5位、パチンコ機製造大手のSANKYOが7位に入るなど、遊技機関連の企業も上位に入っている。収益性向上の要因となっているのが、新たな市場創出につながっている「スマート遊技機」の導入だ。
2022年11月にスマートパチスロが導入開始となり、今年4月にはスマートパチンコもスタートした。楽しむ側としてはパチンコ玉やメダルが不要となり、汚れを気にせず快適に遊べることがメリット。ホール側では管理コストの削減などの恩恵を受ける。
とくにパチスロでは、先行して普及が進むスマートパチスロ機により、低迷期を脱して稼働回復が顕著。機器の販売も好調だ。SANKYOは2022年11月に初のスマートパチスロ機「Lパチスロ 革命機ヴァルブレイヴ」を投入。2023年3月期末までに2万台近く販売している。
ダイコク電機も、スマートパチスロ人気でホールの設備投資が活発化していることから、スマート遊技機向けのユニットや、ホール向けコンピュータシステムが好調に推移している。
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