人間がAIが勝つには「身体性の向上」が重要な根拠 生身の肉体を持つ人間だからこその成長がある

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でも、そこから「待てよ、ここはもうひと踏ん張りして10キロ走ってみるか!」という決断と行動が取れるのは、やはり毎日走るという習慣によって「嫌なことから逃げずにやり抜く」ということを、脳や身体に覚え込ませているからです。

結果として、そうした嫌なことから逃げずにやり抜く習慣が、面倒くさい仕事からも逃げなくなる。理屈でも何でもなく、これこそがAIに勝つための、人間が持つ身体性ならではの強さなのです。

フルマラソンで得た身体性の成長プロセス

もう1つ、これも身体性に関するエピソードです。恥ずかしい話ではあるのですが、私は過去に3回、フルマラソンを失敗した経験があります。どのレースも、30キロ地点で止まってしまい、どうしても完走することができませんでした。

それでも私は諦めずに4回目のフルマラソンに挑戦しました。それが2015年の東京マラソンだったのですが、初めて完走することができました。私がこのときフルマラソンを完走できたのは、ある1冊の本に出会えたおかげでした。

有森裕子さんをメダリストにまで育て上げた名指導者である小出義雄監督の著書『30キロ過ぎで一番速く走るマラソン』(角川SSC新書)によると、小出監督の長年の経験から見出した結論として、フルマラソンを失敗してしまう多くの原因はオーバーペースなのだそうです。

私はもともとジャンプするようなイメージでリズミカルに走るのが好きなのですが、それでは体力が追いつかず、絶対にフルマラソンを完走できないということを経験値から割り出したのです。

フルマラソンを完走するためには、もちろんトレーニングもしますが、ただ根性だけで練習すればいいというものではありません。最初の20キロ、30キロというのは、焦る気持ちを抑えながらゆっくりと走ることがフルマラソンを完走する秘訣だということを学びました。

さらには、これまでの経験値から導き出したサプリや糖分(私の場合はプチようかんでした)の摂取するタイミングも、比較的早い20キロ時点でおこないました。

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