死者増える「モロッコ地震」支援が遅れた最大理由 国王中心の「超中央集権的」体制のアキレス腱
地震で最も大きな被害を受けたモロッコの村々への道を瓦礫や落石がふさいでいるため、多くの住民は9月10日、政府の援助を待つ間、死者を埋葬し、乏しい物資を探し始めた。
その待ち時間は長くなるかもしれない。
人里離れた険しい地域に住む人々は今
この100年でこの地域を襲った最も強力な地震は、都会のアパートに住む人々も、ハイアトラス山脈の泥レンガ造りの家に住む人々も免れなかったが、モロッコの人里離れた険しい地域に住む多くの人々は、ほぼ完全に自活することを余儀なくされている。
被災者たちは、広範囲に及ぶ電気や電話の停電・断線に直面し、食料も水も不足していると語った。イスラム教の儀式で義務づけられている洗浄をする前に埋葬された遺体もあった。
10日にモロッコ国営テレビが報じたところによると、9月8日の夜に発生した地震はマグニチュード6.8とされ、死者2100人以上、負傷者2400人以上を出した。
モロッコ南部のアミズミズという壊滅的な被害を受けた町では、突然女性の叫び声が響き渡った。彼女は町へ駆けつけた後、2人の兄弟が死んだことを知ったばかりだった、と甥のラシェル・アンフルース(37)は説明した。
「多くの人たちは、まだ処理しきれていないので、最初は静かに反応しています」と彼は話した。「そして、ようやくそれを理解すると……」。彼の声は途切れた。