鳥居ユキ氏80歳、「自分の機嫌は自分でとる」秘訣 第一線で活躍するデザイナーのルーティン
――「中年の危機」という言葉もあるように、40〜50代は燃え尽き症候群に陥り、生き方に迷う人もいます。60年以上、第一線で活躍し続けてきて、これまでスランプや悩んだことはありますか。
40代、50代は、経験を積んで全体のバランスがひととおり見えてくるし、肉体もまだ丈夫だし、楽しい時期だと思いますよ。私は悩むひまがなかったわね。
いつもこれは次、これはその次と、先のシーズンのことを考えて忙しく過ごしてきたから、悩んでいられない。もともと仕事が好きで、仕事が楽しみなんです。仕事って80〜90%ぐらい苦しいことのほうが多いかもしれないけど、1つ終わるとすごいハッピーになるじゃないですか。
ちょっとしたものでもいいから興味を持つこと
――それでも年に2回のコレクションにアイデアを出し続けることは大変だと思います。アイデアが枯渇することはありませんか。
つねに好奇心をもっているし、なによりもお客様との関わりを大切にしています。直接お話しする機会も多いですし、オンラインでお話しすることもあるので、年中会っているような感じです。もう30年、40年来のお客様もいらっしゃるのでね。お客様に「着たい」という気持ちになっていただけるものをつくっていきたいと思っています。
――好きなこと、楽しいことが見つからない人へアドバイスがあれば。
「今日の空、きれい」「風が吹いていて気持ちがいい」「ミニバラが咲いた、かわいい」って、ちょっとしたことでも興味を持てるものを見つけ出すといいと思いますよ。私はうちにいてもそうした小さなことに喜びを感じて、インスタ用に写真を撮っています。だから忙しい(笑)。
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