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不安にとらわれず"しなやかに"生きるススメ 「心の言葉は、ときに有害」だからどうする?

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  • 武藤 崇 同志社大学心理学部教授
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黒マインドさんとフュージョンしてしまっても、私たちはそれになかなか気づくことはできません。だってそれが自分の考えだと、それが正しいことなのだと、思い込んでいるからです。

イメージしてください。夢の国のねずみさんや、ゆるキャラさんたちの姿を。

外見は世界的に有名なねずみや、ご当地の威信をかけたオリジナルキャラクターですが、中にいるのは熟練のダンサーさんだったり、自治体の職員だったりします。

でも、中の人の姿は見えません。だから私たちは中の人とキャラクターをフュージョンさせてしまいます。

同じように私たちも、猜疑心(さいぎしん)、固定観念、思い込み、自信のなさにとりつかれてしまいます。妖怪になってしまったマインドさんの着ぐるみと、すっかりフュージョンしてしまっている状態です。

その着ぐるみを脱ぐのが、脱フュージョンなのです。

脱フュージョンのためのエクササイズ

でも、その前にもっと大事なことがあります。それは自分が着ぐるみを着ていることに気づくことです。実はここが難しいのです。

「思考は、着ぐるみでしかない」「思考は、思考でしかない」。そう考えようとしても、マインドさんは「いやいや、なに言ってんのさ。私は私でしょ?」と主張します。

「ACTなんてバカバカしいにもほどがある。着ぐるみってなによ、それ。くだらない」と言ってきます。その声を聞き流して、着ぐるみを脱ぐのってけっこう大変なのです。

だからこそ、ACTは脱フュージョンするためのエクササイズを用意しています。

考えがフュージョンしてしまった例(イラスト:docco)

上図の例でいえば、「私は母親失格だ」と思ったら、語尾に「と考えている」とつけ加えてみてください。「私は母親失格だ、と考えている」です。それだけでいいんです。ほんのわずかですが、思考との距離ができます。

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