戸田建設、CMに「広瀬アリス」起用の深刻な背景 若手社員の「心の叫び」で経営トップが決断

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このとき、戸田建設の落胆とは対照的に、あふれんばかりの学生で賑わっていたのが、中堅ゼネコンの奥村組のブースだった。大阪に本社を構える奥村組は、売上高では戸田建設の半分以下に過ぎない。にもかかわらず、東京でも大阪でも名古屋でも、奥村組のブースは常に活気がある。

奥村組が学生から支持を受ける理由こそが、タレントを起用したCMにある。2018年ごろから、俳優の森川葵さんが登場するCMを展開。森川さんは「ケンジョ」(建設業に従事する女性)を演じ、「建設が、好きだ。」という企業メッセージをさわやかに表現した。このCMがスマッシュヒット。奥村組は学生からの認知度が一気にアップした。

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戸田建設は2019年卒の学生を対象にした調査、そして最新の2024年卒の調査でも、全体の12位という位置にいる。一方、奥村組は2019年卒の19位から、2024年卒には7位にジャンプアップ。戸田建設どころか、スーパーゼネコンの大成建設や竹中工務店をも上回っている。

「(学生から選んでもらえる会社になるために)何らかの施策が必要」(人事部の田野倉氏)。人事部や広報部など現場の思いは一致していた。そして、2019年ごろから再構築していたブランド戦略に沿って、2022年の初めごろからタレントを起用したテレビCMの投入を模索し始めた。

ところが、である。経営トップに何度もプレゼンを行ったが、「色よい返事がなかった」(広報部の佐藤洋人部長)。「うーん、ちょっとピンとこない」「当社には当社らしさがある」。経営陣はこんなことをつぶやきながら、CM制作にゴーサインを出さない。

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