「生誕祭に客1人」アイドル支える"ヲタク"の正体 「ただ1人、ペンライトを振る男性」直撃すると…

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「もともとは名古屋のメイドカフェで働いていたんです。そのカフェの姉妹店所属のアイドル練習生みたいな形で始めたのがスタートでした。だから最初からアイドルになりたいとかそんな思いがあったわけじゃないんです」

メイドカフェ併設のステージで、カフェキャストがアイドルとしても活動するのは以前からある流れだが、ここ数年で活動場所をメイドカフェ以外にも広げつつある。うしおも、そんな流れに乗ったひとりだったというわけだ。

その後、メイドカフェを辞めグループアイドルからも抜けたが、アイドル事務所から誘いを受け、2021年再びグループでのアイドル活動を始める。

「ダンスよりも歌いたかったので、グループと並行でソロ活動も始めました。最初の頃は、もう週6とか毎日のようにライブやってました」

毎日のようにフル稼働するライブアイドルのまさに典型的な例だろう。

「この頃は毎日、歌って踊れて楽しいなという部分がまだ大きくてやれてましたね。その頃は事務所所属なのでいろいろやってくれるのでそれに頼ってた部分はありました」

今は歌うことが本当に大好きだという(写真:うしおゆりなさん提供)

コロナ禍で始めたアイドル活動

コロナ禍で始めたアイドル

毎日のようにあるライブ、そして客が全然いないライブハウス。コロナ以前を知らないからこそ、それがアイドルとしての「当たり前」と思い続けてきた。

もうお客さんが全然いない状態で、みんなマスクで声出し禁止。それが当たり前なのかなって思ってて。キャリアが長い子に聞いたら、以前とはまったく違うよって言われて。スタートが悪かったです(笑)」

このコロナ禍でフロアにはステージのアイドルよりお客さんの数が少ない、そんなことは普通にあった。

客がまばらで声出しもなくクラップ(拍手)のみ。むしろそれが当たり前の現場でアイドルを始めた。

だからこそ、「客がひとり」であることも、別にうしお自身、恥じてはいなかった

「自分でも頑張らなきゃって思うのは、お客さんひとりでも全力でできるんです。でも、多いと緊張してパフォーマンス落ちるとかまだあって、それが今後の課題です」

客がいない現場で続けてきた弊害がここにきて出ているようだ。

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