「ステップワゴン」新型のたび販売が落ちる悲哀 N-BOX、フリードのヒットで問われるその役割
ホンダの看板モデルの1つ、「ステップワゴン」。1996年に登場した初代は、乗用車ベースで5ナンバーサイズの車体に広い室内空間を実現。ワンボックススタイルのクルマを商用車ではなく、ファミリー向けの乗用車として使う、新しいムーブメントの一端としてヒットモデルとなった。
それから25年以上が経過し、2022年5月より発売になったのが現行モデルとなる第6世代だ。
新型ステップワゴンの特徴は、初代を思い起こさせるようなシンプルでスクエアなルックス。そして、初代から続く「広い室内空間」に磨きをかけ、国内ホンダ車として史上最大の室内空間を実現していたことにある。
パワートレインは、モーター駆動を中心とするホンダ独自のハイブリッド「e:HEV」と、1.5リッターの直噴VTECターボのガソリンエンジンの2種を用意。
価格は、e:HEVが343万7500~391万2700万円、ガソリン車が305万3600~371万9100円だ。これは2015年に発売された先代モデルと比べると、相当の値上げになる。
2015年に登場した先代モデルは当初、エンジン車のみのラインナップで発売され、その価格は約230~300万円だった。また、2017年にハイブリッドが追加されたが、そのときの価格は約330~360万円。ハイブリッドの価格上昇はそれほど大きくないが、ガソリン車では50万円以上となる。
初期受注は2万7000台と好調だったが…
では、この新型ステップワゴン、売れ行きはどうなのだろうか。発売から1年を経ての状況を見てみたい。
発表時に掲げられた販売目標は、月販5000台だ。そんな中、発売後1カ月で累計約2万7000台もの受注を獲得。目標の5倍という数字は、なかなかのものだ。
このスタートダッシュ成功の理由の1つに、長期間のティザー展開が挙げられる。
近年は正式発表の前に、新型車の姿を前もって少しずつ公開してゆき、ゆっくりと時間をかけて話題を集めるという、いわゆるティザー広告というマーケティング手法がよく採用される。ステップワゴンもこの例に漏れず、発売の約半年も前から、ティザー広告が実施されていたのだ。
その結果、発売直後の2022年6月は前年比138.2%(3378台)、7月は228.9%(5708台)、8月は158.7%(4614台)という新車登録台数を記録した。
ところが、9月はなんと前年比84.5%(2792台)、10月も98.4%(3075台)と失速してしまう。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら