日銀は追加の金融緩和を見送ったほうがいい

消費者は物価が上昇していると感じている

消費税率引き上げの日、「質を重視した商品政策」をうたった大手スーパー(撮影:大塚一仁)
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日本銀行は白川方明前総裁の下で、2013年1月に「物価安定の目標」を消費者物価の前年比上昇率2%と定めた。そして同年4月には黒田東彦新総裁の下で、この目標を「2年程度の期間を念頭に置いて、できるだけ早期に実現する」ため、量的・質的金融緩和を導入した。

「量的・質的金融緩和」はマネタリーベースおよび長期国債・ETFの保有額を2年間で2倍に拡大し、長期国債の買い入れの平均残存期間を2倍以上に延長するなど大胆な手法が採用された。量・質ともに「次元の違う」金融緩和を実施すると黒田総裁自身が述べたことから、「異次元の金融緩和」などとも呼ばれる。この政策導入から2年少々が過ぎた。

輸入物価が消費者物価指数に大きく影響

日銀が指標としている消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)の上昇率は、2013年夏ごろから上昇しはじめ、2014年初めには1%台前半に達した。2014年4月には3%台半ばとなっているが、消費税率が引き上げられたことによる影響が2%分程度あるとみられており、これを除くと1%台前半の物価上昇率が続いていたと見られる。

2014年夏以降の物価上昇率は低下し、10月末には量的・質的金融緩和の規模拡大が行われたが、物価上昇幅の縮小傾向は止まらず、15年春には増税分を除くとほぼゼロ%になっている。

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