日銀は追加の金融緩和を見送ったほうがいい 消費者は物価が上昇していると感じている

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企業物価指数の輸入物価指数と、消費税率の影響を除いた国内企業物価指数及び消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)の前年同月比上昇率のグラフを見れば、輸入物価の変動が国内企業物価を通じて消費者物価に大きな影響を与えていることは明らかだ。

2012年春から秋にかけて輸入物価が下落したことが、国内企業物価の下落につながり、消費者物価に波及している。逆に2013年には円安と原油価格の上昇から輸入物価が大きく上昇し、国内企業物価の上昇につながり、消費者物価の上昇幅が徐々に拡大していったことが見て取れる。

2014年秋ごろからは原油価格の大幅な下落によって素原材料価格が低下し、輸入物価が下落するようになった。これが国内企業物価の上昇率を押し下げ、消費者物価の上昇率も押し下げていることが分かる。

原油価格(WTI先物期近物)は、2014年夏頃までは1バレル当たり100ドル程度で推移していたが、2015年1月には40ドル台にまで下落した。その後、やや持ち直して60ドル程度となっており、原油価格下落による消費者物価押し下げの効果は年末ごろにはなくなるだろう。

消費者物価指数の動きと消費者の実感に大きな違い

日銀は、4月30日に発表した展望レポート(「経済・物価情勢の展望」)で、「消費者物価の前年比(消費税率引き上げの直接的な影響を除くベース)は、当面0%程度で推移するとみられるが、」「原油価格下落の影響が剥落するに伴って2%に向けて上昇率を高めていくと考えられる」としている。

日銀は、2016 年度前半頃には消費者物価上昇率が2%なると予想しているが、民間エコノミストは悲観的だ。ESPフォーキャスト調査(41人(機関)の民間エコノミストへのアンケート調査、5月14日公表)では、消費者物価上昇率(生鮮食品を除く総合)の予想の平均値は、2016年1-3月期では0.88%で、2017年1-3月期でも1.34%にとどまっている。

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